触るグリフを使った夏休みの学習事例
触るグリフの夏休み利用について、解説します。
触るグリフの対象となる方
触るグリフは、「読みの問題」「文字定着の問題」「漢字学習の問題」「英語学習の問題」の4つに対して効果的にアプローチすることができます。
読みが苦手で流暢ではない、読むと疲れる
逐次読みとは、文字を覚え始めた時期に見られる「1文字ずつ、たどたどしく読む読み方」を指します。これは、文字と音の結びつき(デコーディング)の弱さから、頭の中の語彙と文字列の情報がつながらず、単語形態の記憶が未形成なために生じます。私たちは「オオサンショウウオ」という長い文字列を見ても、1文字ずつ確かめなくても単語の意味が頭に入ってきます。これは文字列が1つの語彙に紐づいた単語形態として記憶形成されているからです。この単語形態記憶が未形成だと、逐次読みの状態が続きます。
触るグリフでは、「視ながら触れて音読」することで、文字列の触知覚フィードバックを利用してチャンキングを促し、単語形態記憶を形成します。これは触るグリフの効果の中でも、特に大きな変化が期待できる部分です。
利用する教材は【仮名と漢字と短文の触るグリフ(標準タイプ)】【仮名と漢字と短文の触るグリフ(小学1年生版)】となります。
仮名(ひらがな、カタカナ)の定着と想起が不安定
仮名(ひらがな、カタカナ)がなかなか覚えられない(文字の未定着)、覚えてはいるけど書く時に「うーん」と考えて思い浮かべるのに時間がかかる(想起困難)などの問題があります。文字の形に手で触れて確かめることで、より強固かつ精緻な文字の記憶形成が可能です。特に「カタカナ」は「イ(にんべん)」など、漢字の基本パーツとなる文字であり、その後の漢字学習にも大きく影響します。
利用する教材は【仮名と漢字と短文の触るグリフ(標準タイプ)】【仮名と漢字と短文の触るグリフ(小学1年生版)】となります。
漢字を繰り返し書いても覚えられない
ディスレクシア特性のある児童は、漢字を繰り返し手で書いても覚えられない、覚えてもすぐに忘れてしまう傾向があります。
原因としては、漢字の形を覚える視覚性記憶の弱さが報告されています。漢字の形のイメージが頭の中に形成できないため、手で書いても記憶として残りにくいのです。漢字のような複雑な形状に対して、手で触れることで記憶痕跡が高まることが報告されています。
また、漢字を部分パーツごとに唱えることで聴覚を利用した迂回路も活用できます。ミチムラ式絵カードなどを利用して、漢字の部分パーツを唱えながら触るグリフの漢字パーツを手で触れる学習法を推奨しています。
詳しくは「触るグリフとミチムラ式を利用した漢字学習法」を参考にしてください。
記事内容を解説したYouTube動画もあります。
利用される教材は【仮名と漢字と短文の触るグリフ(標準タイプ)】【仮名と漢字と短文の触るグリフ(小学1年生版)】となります。その他、各学年の触るグリフ【小3~小4】【小5~小6】の漢字シートとなります。
英単語を繰り返し書いても覚えられない
ディスレクシア特性の方の多くは、英単語を覚えることを苦手としています。繰り返し書いても英単語の記憶が残らずに苦労している方も多いのではないでしょうか。
英語は単語の文字列と読み方の対応関係が最も複雑な言語です。
英語のスペル(綴り)と読み方のパターンを整理した学習体系として「フォニックス」があります。
触るグリフでは、立体化した文字列を手で触れる触覚フィードバックの作用を利用して、英単語の読み方とスペル(綴り)パターンの記憶形成を促します。英単語を覚える時は、読み方に沿う英語スペルの組み合わせとして覚えられ、読む時はスペルの記憶に照合することで読み負担が減ります。
利用する教材は【触るグリフ英語綴り(フォニックス版)】となります。
利用体験談と電話サポート
利用体験談
触るグリフでは、過去にX(旧Twitter)で投稿された利用体験談をリンクしています。「読みの問題」「書きの問題」「英語学習の問題」など、様々な体験談が投稿されていますので、ぜひ参考にしてください。
購入前・購入後の電話相談サポート
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触るグリフでは、教材の購入前のご相談から購入後のご自宅での利用までをサポートするために、言語聴覚士の宮﨑が「お電話(オンライン)」で無料の利用相談や学習相談を受け付けています。
自宅での利用に不安がある方や、分からないことがある方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。購入後も引き続き電話相談でサポートさせていただきます。
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利用前の相談内容
触るグリフの利用相談を受け付けています。主宰言語聴覚士 宮崎が対応します。お気軽にご相談ください。
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