STRAW-Rとは何が分かる検査か|読み書きの『今の状態』を整理する
はじめに
「読み書きが苦手そうだけれど、どこでつまずいているのか分からない」
このような相談は、保護者・教員・支援者のいずれからも多く聞かれます。
読み書きの困難は、
- 文字が読めないのか
- 時間がかかるのか
- 正確さはあるが負担が大きいのか
といったように、困りごとの現れ方が一人ひとり異なります。
その「今の読み書きの状態」を整理するために用いられる検査が、STRAW-Rです。
この記事では、
- STRAW-Rで何が分かるのか
- 結果をどのように支援につなげていくのか
を、臨床・教育現場での活用を意識しながら解説します。
STRAW-Rとは?
STRAW-Rは、読み書きの技能水準を、構造的に把握するための検査です。
特徴は、
- 読み・書きをレベル別に評価できること
- 正確性と**流暢性(スピード・なめらかさ)**を分けて評価できること
にあります。
単に「読める/読めない」を判断するのではなく、 どの段階で、どの側面に負担が生じているのかを整理できる点が大きな特徴です。
STRAW-Rで評価する主な読みのレベル
STRAW-Rでは、読みを次のような段階に分けて評価します。
- かな1文字
- 単語
- 非語(意味のないことば)
- 文章
さらに、
- ひらがな
- カタカナ
- 漢字
といった文字種ごとの違いも確認します。
これにより、
- 「1文字は読めるが、単語になると極端に遅くなる」
- 「ひらがなは問題ないが、カタカナや漢字で負担が大きい」
といったつまずきの位置が明確になります。
正確性と流暢性を分けて見る
STRAW-Rの大きな特徴の一つが、 正確性と流暢性を分けて評価する点です。
- 正確性:読み間違いがどの程度あるか
- 流暢性:どのくらいスムーズに、負担なく読めているか
正確に読めていても、
- 極端に時間がかかる
- 読むこと自体に強い疲労感がある
場合、学習場面では大きな困難につながります。
STRAW-Rでは、こうした 表面化しにくい読みの負担も捉えることができます。
RAN(Rapid Automatized Naming)について
STRAW-Rには、**RAN(自動化された呼称の速さ)**の評価も含まれています。
RANでは、文字や記号をどれだけ素早く、連続して処理できるかを確認します。
RANは、
- 読みの流暢性
- 読みの自動化の程度
と深く関係しており、 読みの正確さだけでは捉えにくい困難を把握するのに有用です。
特に、RANは 発達性読み書き障害(LD/ディスレクシア)のスクリーニングに役立つ指標の一つとされています。
そのため、
- 正確には読めているが非常に遅い
- 時間制限があると極端に負担が増す
といったケースの理解に重要な情報を与えてくれます。
STRAW-Rで分かること・分からないこと
STRAW-Rで分かるのは、
- 現在の読み書きの技能水準
- つまずきが生じているレベル
- 正確性と流暢性のバランス
です。
一方で、
- どう教えると分かりやすくなるか
- どのような配慮が有効か
といった支援方法そのものまでは、直接示してくれる検査ではありません。
そのため、STRAW-Rの結果は、 次の評価や支援を考えるための出発点として位置づけられます。
支援につなげるために
STRAW-Rの結果をもとに、
- 読みの負担が大きいレベルを避けた教材設定
- 課題量や時間設定の調整
- 音声教材やICTの併用
といった支援や配慮を検討することができます。
さらに、
- 「どうしたら分かりやすくなるか」を検討する検査(URAWSS‐Ⅱなど)
と組み合わせることで、 評価から具体的支援へとつなげやすくなります。
おわりに
STRAW-Rは、 読み書きの困難を『見える形』で整理するための検査です。
努力や意欲の問題として片づけられがちな読み書きの困難を、 客観的に捉え、支援につなげるための大切な手がかりを与えてくれます。
今後は、STRAW-Rの結果をもとに、 どのように支援や合理的配慮を検討していくのかについても、 別の記事で整理していきたいと思います。


